目次

  1. はじめに
  2. SAP Build Process Automationの紹介
  3. オファーレター作成における課題と解決策
  4. SAP Build Process Automationによるオファーレター作成&配布の自動化
  5. おわりに

はじめに

近年の日本では、労働人口が減少したり、働き方改革により労働時間が削減されたりするなかで、ITを活用した業務の省力化・自動化が注目されています。

そのような状況のなか、今後企業には、単純作業をロボットがおこない、従業員がより価値の高い業務に注力できる体制を構築することが求められていくでしょう。

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インテリジェントエンタープライズによる業務の変化

人事部門も例外ではありません。書類の作成や配布などの事務作業を省力化・自動化していくことで、人事戦略に紐づく採用やオンボーディングといった業務に注力していく必要がございます。

このような流れもあり、業務プロセスを自動化するビジネスプロセスオートメーション(BPA)や、単純作業をボットが代行・代替するロボティクスプロセスオートメーション(RPA)は、近年、注目され続けています。

今回は、SAPが提供するBPAツールであるSAP Build Process Automationを使って、オファーレター作成から配布までの業務プロセスの自動化の例をご紹介します。

本ブログでは、SAP Build Process Automationを活用することで、どのようにしてオファーレター作成から配布までの業務プロセスを改革することができるか説明します。実際にどのようにしてSAP Build Process Automationでプロセスを構築していくかについては、第2回、第3回のブログで紹介していきます。

SAP Build Process Automationの紹介

本日ご紹介するSAP Build Process Automationは、ノーコードでワークフローとRPAによるプロセスの自動化を行うソリューションです。RPAやフォーム、決定テーブルなどを組み合わせることで、プロセスの構築を行います。

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SAP Build Process Automation 概要

SAP Build Process Automationの主な特徴は、以下の4点です。

  1. ビジネスユーザー(市民開発者)向けノーコード開発UX
  2. 業種・業務別事前定義済みコンテンツ
  3. SAPアプリケーションのデータおよびプロセスへのネイティブなアクセス
  4. 豊富なRPAの組み込み機能(レコーダー機能, 文書抽出処理機能, Microsoft Office等の3rd Party製品との連携機能)

以上の特徴から、SAP Build Process Automationは、日々の業務プロセスを省力化・自動化するために、幅広く使用することが可能です。

考えられるユースケース

  • 手作業や繰り返し作業の自動化
  • 複数システムからのデータの自動集計
  • 標準アプリケーションフローの拡張と適応
  • アプリケーションを横断する包括的なワークフローの自動化

このブログの最後に操作イメージや使用イメージをまとめた動画を載せておりますので、そちらもご覧ください。

オファーレター作成における課題と解決策

続いて、オファーレターの作成から配布までの業務のなかで、どのような課題が考えられるかについて説明します。まず、従来のオファーレターの作成から配布までの業務プロセスとして、以下のような流れが考えられます。

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オファーレター作成における課題

上図のような業務の流れでは、以下のような問題がございます。

  1. 各作業を手動で行うことによる負荷の増加
  2. 打ち間違えによるミスの発生
  3. メールやチャットなどバラバラなツールによる承認のやりとり

続いて、SAP Build Process Automationで構築したプロセス自動化を使用した場合の、オファーレターの作成から配布までの業務プロセスの流れを紹介します。

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SAP Build Process Automationを使用した場合のオファーレター作成の流れ

従来の業務の流れと比較して、以下のようなメリットがございます。

  1. 単純作業の自動化による生産性の向上
  2. 人の手を介さないことによる正確性の向上
  3. 統一された承認プロセス

このように、SAP Build Process Automationを使用することで、生産性の向上という面で大きなメリットがございます。

SAP Build Process Automationによるオファーレター作成&配布の自動化

それでは、実際にSAP Build Process Automationを使って、どのようにオファーレター作成&配布のプロセス自動化を構築するかについて説明します。

以下がプロセスの全体像です。

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プロセスの構築を行うダッシュボード

まず、①フォームの送信によってプロセスが開始されると、②人事システムであるSAP SuccessFactorsよりAPIを使用して候補者のデータを取得します。続いて、③候補者の情報をもとに、承認依頼が配属される部署のマネージャーへ送られます。承認された場合には、④Wordでオファーレターが作成され、⑤Outlookによってオファーレターが添付された形で、候補者へとメールが送信されます。また、却下された場合には、④-2申請者のもとに却下通知が送られてきます。

各ステップで行う作業について、簡単に説明します。

①【フォーム】プロセス開始のトリガ(SendOfficeLetterForm)

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プロセスを開始するトリガとなるフォームの画面

構築するプロセスは、上図のフォームが送信されることによって開始されます。ここでは、申請者と承認者(配属する部署のマネージャー)の名前とメールアドレス、オファーレターを出す候補者のIDを入力します。今回は、フォームによってプロセスが開始されますが、APIによってプロセスを開始させることもできます。

②【RPA】APIによる候補者データの取得(GetCandidateInfoFromSF)

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候補者データを取得するためのRPAフロー

まず、プロセスが開始されると、人事システムであるSAP SuccessFactorsより、候補者のデータを取得します。ここでいう候補者のデータは、名前や住所、ポジション、給与などの情報です。RPAのフローのなかで、API連携をおこなうアクション*を使用することで、データの取得を行っています。

*アクション・・・APIのパスや認証情報を事前に登録し、プロセスやRPAのなかで使用することができる機能。事前にIT部門の方がアクションを作成しておくことで、業務ユーザーが簡単にAPIを使用することができたり、ガバナンスを効かせることが可能。

③【フォーム】承認依頼の送信(ApprovalForm)

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オファーレター送信依頼の承認フォーム

APIによって候補者のデータが取得されると、そのデータに基づき承認者へと承認依頼が送られます。上の画像のように、受信ボックスであるタスクセンターに依頼内容が届きます。承認する場合は、右下緑の承認ボタン、却下する場合は、右下赤の却下ボタンをクリックします。承認または却下によって、後続のフローが分岐されます。

④【RPA】Wordによるオファーレターの作成(CreateOfferLettersInWord)

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Wordでオファーレターを作成するRPAフロー

承認依頼が承認された場合、Wordによるオファーレターの作成のRPAを構築します。ここでは、事前に作成してあるWordテンプレートの一部を、候補者のデータで置換して、オファーレターを作成します。

置換の例

  • [[NAME]] → 山田太郎
  • [[SALARY]] → 8,000,000円

⑤【RPA】Outlookによるオファーレターの配布(SendOfferLetterViaOutlook)

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Outlookでオファーレターを送信するRPAフロー

オファーレターが作成されると、Outlookを使ってオファーレターを添付した選考結果メールを候補者へと送信します。

④-2【フォーム】却下通知の送信(NoticeOfRejection)

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オファーレターの送信依頼の却下通知フォーム

③のステップで、承認依頼が却下された場合は、申請者へ承認依頼が却下された通知が届きます。

 

このように、RPAや決定テーブル、フォームなどを組み合わせていただくことで、オファーレター作成から配布までのプロセス自動化を構築することができます。

操作イメージや使用イメージをまとめた全体概要の動画がこちらになります。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

ご紹介したようにSAP Build Process Automaitonは、ノーコードの直感的なインターフェースで、ワークフローとRPAによるプロセスの自動化を構築できます。

今回ご紹介したオファーレター作成から配布までの業務プロセスだけでなく、手作業や繰り返し作業の自動化、複数システムからのデータの自動集計といったユースケースで、大きく生産性を向上させることが期待できます。

次回は、SAP Build Process Automationを使用して、どのようにプロセスを構築するかについて、具体的に説明していきます。ぜひご覧ください。

Sara Sampaio

Sara Sampaio

Author Since: March 10, 2022

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