この記事はSAP Inside Track Tokyo 2023に登壇した際の内容に基づいて、記述されています。
Week1の前夜祭の回に「【LCNC物語】いかにして私は市民開発者になったのか」というタイトルで参加しました。
この記事では、SAP Build Process Automationによる請求書登録の自動化を例に、市民開発者がどういった点に気を付けながら、市民開発を行っていくべきかを紙芝居形式でご紹介しております。
実際にどのようにSAP Build Process Automationで開発していくかのデモについては、こちらの記事をご覧ください。
SAP Build Process Automation による請求書登録の自動化!デモをたくさんお見せします!
SAP Build Process Automation
SAP Build Process Automationは、ノーコードでワークフローとRPAによるプロセスの自動化を行うソリューションです。RPAやフォーム、決定テーブルなどを組み合わせることで、プロセスの構築を行います。日々の業務プロセスを省力化・自動化するために、幅広く使用することが可能です。
請求書登録自動化のシナリオ
今回のブログでは、SAP Build Process Automationによる請求書登録自動化を例に、市民開発におけるTipsをご紹介しております。請求書登録自動化のシナリオは以下の通りです。
- 従業員が請求書の画像をコンピュータ上にアップロード。
- 従業員はワークフローを開始させるフォームを送信。
- ルールに従って、設定された上長に承認依頼が送信。
- 承認された場合、SAP S/4HANA CloudのAPIを経由して請求書が登録。拒否された場合、従業員に拒否通知が送信。
市民開発における4つのTips~漫画形式でご紹介~
それでは、市民開発における4つのTipsについて、紙芝居形式でご紹介したいと思います。
こちらは、財務部門に所属する山田くんと、IT部門に所属する斎藤くんの2人の物語です。山田くんの請求書のマニュアル入力という課題に対して、山田くんが市民開発者、斎藤くんがプロ開発者として解決を目指します。
Tips1:ローコード・ノーコードでも開発者のサポートが必要です
まず、ひとつ目のTipsは「ローコード・ノーコードでも開発者のサポートが必要」ということです。ローコード・ノーコード開発とはいえ、プログラミングの知識や感覚が必要になってきます。そこで、市民開発者が一人で開発するのではなく、プロ開発者がサポートすることによって、よりスムーズに開発を行うことができます。
Tips2:ローコード・ノーコードでは、ガバナンスに注意する必要があります。
2つ目のTipsは「ローコード・ノーコードでは、ガバナンスに注意する必要がある」ということです。特にSAP S/4HANAなど、外部のアプリケーションと連携する際には、ガバナンスが非常に重要になってきます。システムへの影響や安全性を考えて、プロ開発者がサポートする必要がございます。
SAP Build Process Automationのように、ローコード・ノーコードツールにはそういったガバナンスを担保できる機能があるので、ガバナンスの機能、さらにはガバナンスを維持できる体制を作って、市民開発を行うことが必要です。
Tips3:ローコード・ノーコードでは、市民開発者とプロ開発者の役割分担が必要です。
3つ目のTipsは、「ローコード・ノーコードでは、市民開発者とプロ開発者の役割分担が必要である」ということです。市民開発者は業務に対する知見、プロ開発者はIT・開発に対する知見と、それぞれが持っている知見やスキルは違います。お互いの知見やスキルといった強みを活かして協力することが、ローコード・ノーコードによる市民開発のひとつのTipsとなります。
Tips4: 一度、完成しても終わりではありません。
最後のTipsは、「ローコード・ノーコード開発では、一度、完成しても終わりではない」ということです。ローコード・ノーコード開発のメリットのひとつは、少ない工数で開発を行うことができるので、アジャイル開発がしやすいという点です。さらには、市民開発者は自身が作ったアプリケーションを、実際に使用することが想定されるので、使ってみて感じたことを、そのまま修正に移ることができます。
そのため、ローコード・ノーコード開発では、一度完成したら終わりなのではなく、実際に使ってみるなかで見つけた改善点を、その都度修正していくことが、より価値を発揮させるためには必要になってきます。
以上4つのTipsをご紹介しました。
- ローコード・ノーコードでも開発者のサポートが必要です
- ローコード・ノーコードでは、ガバナンスに注意する必要があります。
- ローコード・ノーコードでは、市民開発者とプロ開発者の役割分担が必要です。
- 一度、完成しても終わりではありません。
おわりに
ぜひ、本日ご紹介した4つのTipsを意識しながら、ローコード・ノーコードツールによる市民開発に取り組んでみてください。また、気軽に始められることも、ローコード・ノーコード開発の良い点です。今回の後続となるブログや、チュートリアルを参考にしながら、ぜひ一度市民開発にトライしてみてください。
後続ブログ:SAP Build Process Automation による請求書登録の自動化!デモをたくさんお見せします!
初心者向けチュートリアル:Build Your First Business Process with SAP Build Process Automation
以下、本ブログのもととなるSAP Inside Track Tokyo 2023におけるセッションです。こちらもぜひご覧ください。